美容クリニック開業成功への近道!美容クリニック開業に必要な資金とその調達方法を徹底ガイド!

2023.03.24

「美容クリニックの開業にはどのくらいの資金が必要なの?」「美容クリニック開業の資金調達はどこからすれば良いの?」といった疑問を持つ美容外科医も多いのではないでしょうか。

平均年収3000万円を超えることも夢ではない美容クリニックの開業ですが、他の診療科目よりもはるかに多くの初期費用がかかることが特徴です。 そのため、事前の準備やリサーチを入念に行わなければ、最悪の場合、多額の借金を背負うことになりかねません。

この記事では、美容クリニック開業に必要な資金とその調達方法に関して、詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

美容クリニックの開業資金計画の基本

美容クリニックを開業するにあたって、最も重要とも言える開業資金ですが、どのように計画すれば良いのでしょうか。ここでは、「初期投資の概算」「運営資金の見積もり」「予想収益と資金計画」の3つのポイントで、紹介していきます。

開業に必要な初期投資の概算

一般的には、美容クリニックの開業資金には5000万円〜1億円が必要と言われています。

その内訳として、主なウェイトを占めているのは「設備費」「医療機器代」「不動産費」です。このように、非常に多額の資金が必要とされているため、事前に概算を出しておくことが重要です。 事前の概算を怠ると、金融機関等から資金調達する際に、余計な手間がかかってしまいます。

運営資金の見積もり

運営資金(運転資金)は、開業後に継続的に発生するランニングコストのことを指します。家賃や人件費だけでなく、借入金の返済も含まれるため、注意しましょう。 運転資金は余裕を持って設定しておくことで、開業当初の赤字期間でも、円滑で余裕のある業務を行うことが可能になります。

万が一、開業してからしばらくの間、予想通りの収益が上がらなかった際でも、スタッフへの報酬や返済が滞らない程度の運転資金を、余裕を持って設定しておくと良いでしょう。

予想収益と適切な資金計画

金融機関から借入をする際にも、どのくらいのペースで毎月どのくらいの収益が見込めるかは重要な指標となります。

そのため、初期費用を概算する段階から、開業してから1、2年の収益予想はしておくと良いでしょう。収益予想ができたら、その予想をもとに適切な資金計画を立て、どの金融機関からいくら借りるのかまで決めていきます。

美容クリニック開業に必要な資金調達方法

では、美容クリニックの開業資金を調達するには、どのような調達先があるのでしょうか。ここでは、「銀行融資」「クラウドファンディング」「家族・友人からの借入」の3つの調達手段について紹介していきます。

銀行融資

銀行を含めた民間金融機関では、新規でのクリニック開業への融資が積極的でないことが多い傾向があります。もちろん、銀行によっては、クリニックの新規開業に特化した融資プランが用意されていることもあります。

それらの多くは無担保で、返済期間も10年前後で借り入れることができます。とはいえ、民間金融機関を考える前に、まずは「日本政策金融公庫」からの借入を考えるほうが良いでしょう。

「日本政策金融公庫」は、民間の金融機関と比べ、借り入れのハードルが低いですが、融資が決定するまでに約1ヶ月ほどかかってしまうため、手続きには余裕を持っておくことが必要です。

クラウドファンディング

クリニックの新規開業でも、クラウドファンディングが利用できることを覚えておきましょう。特定のターゲットのニーズを満たせる診療内容であれば、少なからず資金提供をしてくれる投資家の方はいるはずです。

また、クラウドファンディングを通して、手伝いたいと感じてくれる人もいるかもしれません。まずは、ご自身のクリニックに対する想いを、正直に説明することから始めてみましょう。

個人資産や家族・友人からの借入

新たに美容クリニックを開業するにあたって、ご自身の自己資金をいくらか用意しておくこと大切です。金融機関から借り入れる際の審査において、自己資金がどのくらいあるかは重要な審査ポイントとなるためです。

とはいえ、ご自身の資金のみでは限界があるでしょう。そこで、家族やご友人にも協力を仰ぐのも1つの手です。基本的には、無担保・無利子で借りることができるため、できるだけコストを抑えたい方にはおすすめです。

資金調達に必要な書類とその準備

では、具体的に資金調達に必要な書類と、調達にあたってどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、「ビジネスプランの作成」「信用情報の確認・修正」「融資に必要な書類の整備」の3つの観点で紹介していきます。

ビジネスプランの作成

資金調達に際して、まずはビジネスプランを作成しましょう。どんなコンセプトで、どんなターゲットを設定し、どんな診療を強みとするのか、どこで開業するのか等をビジネスプラン作成の段階で決めていきましょう。

そこで決めた内容をもとに、必要な人材、医療機器などを選定し、初期費用を見積もることができるのです。ビジネスプランに不備があった場合、その後の資金調達や開業後の運営にまで影響が出てしまう可能性があります。

信用情報の確認と修正

金融機関から借り入れる際には、借り入れる本人の信用情報が細かくチェックされます。そのため、事前にご自身に関する信用情報を確認した上で、修正すべきところは修正しておきましょう。

この手間を惜しんでしまうと、仮に借入に不利な情報が含まれていた場合、その金融機関だけでなく、その他全ての金融機関から資金を借り入れできなくなる可能性があります。

融資に必要な書類の整備

融資を受けたい金融機関が決まったら、担当者との面談の前に提出するべき書類を準備していきましょう。金融機関によってフォーマットや必要な書類が若干異なるため、漏れがないよう念入りにチェックする必要があります。

提出が必要な書類には、医師免許や運転免許のコピーなど、自分自身で簡単に用意できる書類もあります。しかし、初期費用の見積もりに関わる書類に関しては、時間がかかるため、税理士やコンサルタントに依頼して、早めに用意しておきましょう。

開業資金を節約するための費用削減術

美容クリニックの開業には、他の診療科の開業と比べ多額の費用が発生します。とはいえ、削減できる費用は削減したいはずです。ここでは、「建物・設備のリース・リフォーム」「中古機器の使用」「低コストマーケティング」の3種類を紹介していきます。

建物・設備のリース・リフォーム

建物や設備を購入する際、一括で購入する方法もあります。しかし、美容クリニックに必要な医療機器(例えば、シミとり用レーザー機器)では、1台で数千万円することもあります。

数千万円する医療機器を一括で購入することは、リスクが大きすぎると言えるでしょう。そこで、医療機器をはじめとする高額設備に関しては、リースでの購入をオススメします。リースで購入することによって、瞬間的に負担が大きくなってしまうことを防げます。

また、建物も新たな物件を購入するのも良いですが、中古物件をリフォームして、再利用するという手も、コストカットをしたい方にはオススメです。

中古機器の活用

美容クリニックを新たに開業するのだから、新しい機器で揃えたいという気持ちはわかります。しかし、全てを新品で揃えていたら、とてつもなく高額な費用がかかってしまうことは、言うまでもありません。

中古の機器で問題がない場合は、積極的に中古機器を取り入れると良いでしょう。それによって浮いた資金で、より最新の医療機器を購入してみてはどうでしょうか。

無料または低コストのマーケティング手法

新規でクリニックを開業するとなると、新規患者さんの集客に多くの広告費用や、患者ターゲット層の設定等を行わなければなりません。

そういったマーケティングを行うためには、税理士や開業コンサルタントに依頼するのが一般的です。しかし、プロに依頼するには多額のコストが発生します。もちろん、広告施策には多くの費用をかけたほうが良いですが、開業資金にも限りがあります。

その場合は、ご自身でホームページを制作したり、SNSを運用してみたりなど、比較的低コストでできる広告施策を試してみると良いでしょう。

美容クリニック経営における資金管理のポイント

開業後には、クリニックの資金管理を行なっていく必要があります。ここでは、美容クリニック経営における資金管理のポイントを、「月次・年次の収支管理」「財務諸表の作成と分析」「経営改善に向けた資金活用法」の3つに分けて紹介していきます。

月次・年次の収支管理

月ごと・1年ごとに売上はもちろん、人件費や光熱費、純利益など出せる範囲での数値を出しておきましょう。特に開業当初の場合、どれだけ患者さんが来てくれているか、広告費用に対して売上が釣り合っているかなど、今後の経営において重要な分析をする必要があります。

その後でも、毎月管理しておくことで、人気な施術やメイン患者層がわかるため、今後の経営に生かしやすいと言えるでしょう。

財務諸表の作成と分析

当然ですが、美容クリニックの開業は企業化を意味するため、財務諸表を作り、財務状況を管理する必要があります。大抵の場合は、税理士のようなプロに依頼しますが、ご自身でも定期的に分析し、今後の経営に反映させていくと良いでしょう。

もちろん、プロのアドバイスを受けることも大切ですが、現場の人間の目線でも分析してみると、異なる視点で見直すことができるはずです。

経営改善に向けた資金活用法

美容クリニックの経営において、できるだけコストをカットすることは重要なポイントです。しかし、お金をかけるべき部分にはしっかりとお金をかけましょう。

例えば、広告施策は、クリニックの集客に直接起因してきますので、定期的な分析とともに、適切な広告施策を選定し、ご自身の予算に見合った広告施策を打ち出していくことをオススメします。

開業後の資金繰り改善のための施策

開業後では、売上が上がる期間もあれば、資金繰りに苦労する期間も必ず来るはずです。ここでは、開業後の資金繰り改善のための施策に関して、「売上拡大戦略の立案」「コスト削減」「キャッシュフロー管理」の3点に分けて紹介していきます。

売上拡大戦略の立案

最も一般的な資金繰り改善策は、売上を上げることです。売上拡大戦略を立案してみましょう。例えば、店舗数を増やすでも良いですし、施術内容を充実させるでも良いでしょう。

何か患者さん潜在ニーズを満たすことができる施策を考えてみると、売上アップにつながるはずです。

コスト削減による利益率向上

売上を上げるだけでなく、コストを削減することも、資金繰り改善につながるでしょう。システム化できるところはシステムを導入したり、カットできる人件費を負担にならない程度にカットしたり、分析してみればカットできるところが意外と見つかるものです。

効果的なキャッシュフロー管理

美容クリニックの経営において、キャッシュフローを管理することは重要です。キャッシュフローをうまく管理できていないと、黒字でも倒産ということになりかねないのです。特に、開業当初の場合、想定外の費用や売掛金の未入金等で、手元に現金がないという事態に陥る可能性があります。

そのため、事業計画を立てる段階から、現金の流れも把握しておく必要があるでしょう。また、開業後も、キャッシュフロー計算書を作成することで、視覚的にキャッシュの状況を把握することができます。

まとめ

美容クリニックを新規で開業するには、多くの費用が必要となります。そのため、開業前に入念な準備をしておく必要があります。開業前も開業後も、全てが順調にいくわけではありません。問題が発生したときでも、余裕を持って対処できるよう、余裕を持った入念な計画のもと、資金調達をすることをオススメします。