歯科医院開業の流れと開業前に知りたい重要なポイントを詳しくご紹介!

2023.02.28

歯科医院開業の流れとは

歯科医院の開業には、大きく分けて5つのステップを踏まなければなりません。
法的手続きの準備、資金調達、場所の選定、設備・備品の準備、人材採用の5つであり、適切な時期に、適切なスケジュールでこなしていく必要があります。

ここからは、歯科医院の開業に必要なステップをさらに詳しく解説していきます。

STEP1:法的手続きの準備

まず初めに、「法的手続きの準備」をしていきます。歯科医院の開業までには、数々の法的資格の取得・各種届出をする必要があります。

ここでは、各種法的手続きについて、詳しく紹介していきます。

診療所開設届出の手続き

1つ目は、「診療所開設届けの手続き」です。

歯科医院を開業する前に、医療法に基づき、開業前に所轄の保健所に診療所開設届出を提出する必要があります。

また、届出書には医療機器の設置や医師の人数などの詳細な情報を記載する必要があります。加えて、業務ができる状態になってから10日以内に提出する必要があるので、期間に注意しましょう。

医師免許・歯科医師免許の取得

歯科医院を開業するには、必ずしも歯科医師である必要はありませんが、医療法に基づき、医師免許・歯科医師免許を取得している人物が必要です。

そのため、ご自身が医師免許・歯科医師免許を取得されていない場合は、早期の段階から、働いてくれる歯科医師を見つけておくと良いでしょう。

建築基準法・厚生労働省の指導に基づく設計

歯科医院の建物の設計は、建築基準法や厚生労働省の指導に基づいて行われます。例えば、廊下の幅やトイレの設置場所、スロープの傾斜角度など多くの規定があります。

そのため、工事着手前にあらかじめ保健所等で図面を確認してもらうことで、法令に遵守しているか否かをチェックしておくことをお勧めします。

契約書類の作成

開業にあたって、賃貸借契約書、設備購入契約書、労働契約書などの契約書を作成する必要があります。歯科医院の規模を想定した上で、その他希望条件を踏まえ物件を探し、契約を進めていきます。

また、契約する物件の間取りや診療科目等に合わせて、適切なサイズや種類の設備購入手続きをしていきます。そして、設備導入と同時に、スタッフの募集も行なっていく必要があります。

募集を行う上で、スタッフに対する労働契約内容を記した労働契約書も作成しておきましょう。

STEP2:資金調達

2つ目のステップは、「資金調達」です。歯科医院の開業には、約5000万円かかると言われており、自己資金のみで開業するには負担が大きすぎる額です。

そのため、別手段による「資金調達」が必要となってきます。最もメジャーである金融機関からの融資をはじめとし、国や自治体からの補助金などが挙げられます。ここでは、それら2種類の調達方法について紹介していきます。

銀行・信用金庫からの融資

歯科医院開業において、最もメジャーと言える「資金調達」方法は、銀行・信用金庫等からの融資です。しかし、開業以前の歯科医院は、返済実績を評価されにくいため、銀行からの融資審査を通過することは難しいでしょう。

信用金庫は、地域社会の利益を優先しているため、銀行よりも融資が通りやすいという特徴があります。とはいえ、銀行によっては、医療機関向けの特別融資制度を用意しているところもあるので、事前のリサーチが必要不可欠です。

助成金・補助金の申請

国や自治体から、医療機関開設に対する助成金・補助金が用意されている場合があります。特に助成金は返済する必要がないことが最大のメリットです。

具体的な助成金・補助金の内容や申請方法は、各自治体や国のホームページで確認することができます。少しでも、開業に対する負担を軽減するために、しっかりと確認することを強くお勧めします。

STEP3:開業場所の選定

3つ目のステップは、「開業場所の選定」です。開業後、長い間その土地でお世話になるわけですから、事前にしっかりと調査を行った上で開業地を選ぶ必要があります。

例えば、矯正歯科を行うのであれば、ビジネス街が適していますし、小児歯科を行うのであればファミリー層が多く住む住宅街などが適しています。このように診療科目によっても適している土地が異なります。ここでは、開業地選びのポイントについて、いくつかに分けて紹介していきます。

駅からの距離・交通アクセスの良さ

診療科目等により多少異なりますが、医院の位置が駅から近いことは、大きなメリットになるといえるでしょう。特に、矯正歯科を標榜する場合は、定期的に仕事や学校帰りに通える立地にあると良いでしょう。

また、郊外で開業する場合は、車が入りやすい立地であるか、広めの駐車場が確保できるか等、郊外ならではのポイントで立地選びをする必要があります。

開業予算に合わせた地価・家賃

言うまでもありませんが、自身の資金とかけ離れた地価・家賃の土地を選ぶことはやめましょう。開業当初は、どれくらいの患者さんが来院するかといったデータもありません。

下手に高い家賃の物件を契約してしまうと、借入の返済や設備費、人件費なども重なり、最悪の場合、廃業になりかねません。立地選びをする前に、適正な予算を決めておくことが大事です。

周囲の競合店舗の調査

立地選びの際には、候補となる立地の周辺に存在する医院を事前に調べておきましょう。例えば、非常に近い位置に、診療科目や医院の規模がほぼ一致する医院があるのであれば、その土地での集患が見込めるとは言えないでしょう。

一方で、仮に近くに歯科医院があったとしても、標榜予定の診療科目が被っていなかったり、専門性に特化しているのであれば、多くの患者さんの来院が見込める可能性があります。

STEP4:設備・備品の準備

4つ目のステップは、「設備・備品の準備」です。立地や物件が決まったら、間取りや診療科目に適した、さまざまな医療機器やインテリアを揃えていく必要があります。

ここでは、必要な設備や備品ごとに紹介していきます。

治療器具・診察台・レントゲンなどの医療機器の選定

歯科医院では、バキュームやX線装置など様々な歯科医療機器を使用します。

また、所属する歯科医師・歯科衛生士の人数と相談した上で、必要な数の診察台、歯並び・虫歯状態を確認するためのレントゲン装置など、医院の規模や専門性に合った医療機器を揃えるようにしましょう。

受付カウンターや待合室の家具・インテリアの選定

受付カウンターや待合室の家具・インテリアの選定は、医院の雰囲気を決定する重要なポイントとなります。

小児歯科を標榜するのであれば、子供が怖がらず、不安にならないような雰囲気作りが必要ですし、矯正歯科を標榜するのであれば、高級感や清潔感を最大限にできる雰囲気作りが必要でしょう。

コンピューター・OA機器の選定

ほとんどの歯科医院では、カルテは電子で管理されており、診察時にもモニター画面を使用した診察を行うことが一般的です。

そのため、ご自身の予算の中で、互換性がある点や、解像度が高い点などを考慮し、最大限のパフォーマンスが可能な機器を導入しましょう。

STEP5:人材採用

5つ目のステップは、「人材採用」です。資金調達や設備導入と同様に、スタッフの確保も重要なポイントとなります。歯科衛生士や歯科助手はもちろん、同時に何人も治療したいのであれば、歯科医師の雇用も考えなければなりません。

そのため、計画的に各種募集サイト等を利用して、人材確保を行なっていく必要があります。

歯科医師・助手・受付・事務などの採用

歯科医師や助手、受付事務を募集する際には、自身の医院の強みや魅力を最大限に伝えることが重要です。しっかりと求職者のニーズを把握した上で、例えば休日の確保の柔軟さやスタッフ同士の雰囲気など、応募したいと思えるような医院作りをしていきましょう。

面接の方法・ポイント

スタッフ採用に必要不可欠である「面接」ですが、公平性を保つためにも、実施する前にしっかりと評価基準を作っておきましょう。

また、応募者の将来設計や希望する待遇などを聞いた上で、医院経営に反映させていくことも、満足度向上につながります。

労働契約書の作成

スタッフの採用は、医院と契約を結ぶことと同義であるため、契約書を作っておかなければなりません。給与面や待遇面が詳しく、そしてわかりやすく記載されている契約書を作成しておくことで、スタッフとご自身との相互の信頼に繋がるでしょう。

開業前に知っておくべき重要なポイント

開業前に気にしておかなければならないポイントがいくつかあります。これらは、開業前に対応しておかないと、開業後の不満やトラブルの原因となりかねません。

事前にしっかりと、以下に挙げるポイントを考慮した上で、開業準備に反映させましょう。

開業資金は無理のない範囲で計画する

開業資金は、初期段階である「事業構想」の段階で、入念に計算した上で、決定しましょう。ご自身の自己資金、銀行からの借入、助成金の利用などを含め、いくらまで開業に充てることができるのかを把握し、そこから物件契約費や設備資金、スタッフ採用資金などに割り振っていくのが良いでしょう。

開業地域の需要調査を入念に行う

立地選定を行うのと同時に、「診療圏調査」を行うことを忘れないようにしましょう。

「診療圏調査」とは、開業予定の立地の周りにある競合医院や人口構成、どの年齢層がどの時間帯に医院周辺を通るのかなど、さまざまな視点から、医院への集患数を予測することを指します。

開業コンサルタント等に依頼することも視野に入れながら、「診療圏調査」は入念に行う必要があるという意識を持っておきましょう。

保険診療の申請はなるべく早めに提出する

開設届の審査が保健所より通ったのち、地方厚生局へ「保険医療機関指定」の申請を行います。申請が許可されたのち、指定医療機関コードを発行してもらうことで初めて、保険診療を行うことができます。

しかし、「保険医療機関指定」の審査には、申請からコード発行まで含め約1ヶ月かかるため、開業希望時期から逆算した上で、早めに各種申請を出していきましょう。

電子カルテや、患者管理システムなどを開業時から活用し、開業後の業務効率化を実現する

電子カルテの使用は、近年では一般的なものとなっており、業務効率化をする際に大きな手助けとなってくれます。

そのため、操作性やコスト面から慎重に検討した上で、導入業務に取りかかりましょう。

マーケティング・集患施策の検討を行う

どんなに腕に自信があり、優秀なスタッフを採用していたとしても、十分な集患施策を行わなければ、開業に成功したとは言えません。

開業予定地周辺の見込み患者層を事前に調査し、把握した上で、自身の診療科目や雰囲気作りに反映していきましょう。また、ネット広告やチラシ・新聞等を通じて、開業前から広く周知をしていくことをお勧めします。