美容皮膚科の開業方法を詳しく解説!重要なポイントや、開業資金・年収なども紹介!

2023.02.18

美容皮膚科に勤務していて知識とスキルを培うことができれば、自分のお店を開業することについて考える人もいるでしょう。 自分で開業することができれば、経営方針や収入も自分で決定することができるようになるため、より楽しんで仕事をすることができます。

ですが、開業する際は、いろいろな準備をする必要があるため、しっかりポイントを押さえておくことが大事です。美容皮膚科を開業する際に考えておくべき項目について、それぞれ紹介しましょう。

美容皮膚科の開業方法の流れとポイント

美容クリニックを開業する場合、まず考えるべきことはポイントと流れです。 クリニックの開業は押さえておくポイントがたくさんあり、順序良く決定していく必要があるため、流れの把握をしておくことが大事です。

クリニックの開業は以下のような流れで行うのがポイントになるため、それぞれ紹介しましょう。

1. クリニックの方針決定

まず美容クリニックを開業する際は、方針を決定することが大事です。

自分がどのようなクリニックにしたいのか、コンセプトを決定しないと運営も定まらないため、大事なポイントです。 方針としては「クリニックの診療内容」「どれほどの規模にするのか」「どこにクリニックを作るのか」「どんな人をターゲットにすべきか」という点などです。

クリニックの方針が上手く分からない場合は、他の同業者の方に質問してみるのも方法の一つです。まずはクリニックの方針を明確化できるようにしましょう。

2. 資金計画の策定

クリニックを開業するためには資金が必要です。 まずは、運営していくために必要なものをピックアップして、どれくらいの資金が必要になるのか計算しましょう。

クリニックなら、例えば、診療台や治療する機器、椅子や机など、いろいろな物品を購入しなくてはいけません。 また、店舗の改装費用なども念頭に置いておく必要があるため、かなり大金を準備しなくてはいけないでしょう。

大体美容クリニックは開業する際に5,000万円〜1億円が必要と言われています。 自分の貯金だけで資金を準備することは不可能なので、銀行への融資や自治体の補助金などを利用して、必要金額を用意できるように計画しましょう。

3. 開院立地の選定

開業資金の目処が立ちそうなら、開院する立地の選定を行いましょう。 クリニックの開院場所は、コンセプトに沿って決定するのがおすすめの方法です。

例えば、ビジネスマンの方をターゲットにするなら駅の近くやオフィス街の場所を選定すると、通いやすいため集客を見込めます。 もし大学生を狙って運営するなら、学校の近くや通学によく利用する駅周辺に開院すると来店客を見込めるでしょう。

自分が、どのような顧客層をターゲットにしているかにより、立地条件は変わってくるため、ターゲットを考えて開院場所を考えましょう。

4. 内装の検討

立地場所を決定することができれば、店舗の内装について考える必要があるでしょう。

美容クリニックは清潔でリラックスできる雰囲気を作る必要があるため、内装業者にしっかり自分の意図を伝えて、希望通りに工事できるのか確認しましょう。 また、内装業者に依頼する際は、店舗の大きさにもよりますが、遅くとも開業する3ヶ月前までに工事が始められるようにすべきです。

内装は時間がかかるため、開業までの期間を計算しておかないと、計画よりも遅延してしまう可能性があります。 内装は早めにアクションを行い、取り掛かるようにしましょう。

5. スタッフの採用

内装は工事が始まった段階で、スタッフを集めるために求人募集を行うようにしましょう。

スタッフを募集するときは「どのような人材が必要なのか」「勤務体系」「給料」などを考える必要があります。 求人情報を出す前に、必要な人材や雇用形態をしっかり考えなくてはいけないため早めに計画することが大事です。

また、スタッフが集まったなら、しっかり仕事を行えるように教える必要があります。 仕事のマニュアル作成や説明なども考えなくてはいけないため、時間を取り分けて計画的に準備しましょう。

6. 集客・マーケティング

続いて、クリニックの集客とマーケティングを行うことも大事です。

来店してもらうためには、お店の存在を認知してもらう必要があるため、宣伝しなくてはいけません。 宣伝方法はいろいろあり、例えば広告やチラシなどの紙媒体で行うのか、またはホームページを作成することやSNSを利用することなどです。 紙媒体での集客だと広告代がかかるため、どれくらいの費用がかかるのか計算する必要があるでしょう。ホームページの作成やSNSでの作成も業者に依頼するなら、コストがかかります。

今はネットを介して情報を集める人も多いため、マーケティングであれば、WEBやSNSを利用するのがおすすめです。 ただ、集客は立地やターゲット層により紙媒体も効果があるため、ベストな方法を考えましょう。

7. その他

美容クリニックの開業では、細かい部分も考えておく必要があります。

例えば、施術内容や施術時間、スタッフ構成は保険診療のクリニックよりも範囲が広いため、柔軟に合わせられる電子カルテシステムや予約システムを選定した方が良い場合があります。 また、施術の際は複数回コースを提供することもあるでしょう。

ただ、その時の支払いは売上ではなく前受金になるため、事前に計上ルールや期限等について、税理士も交えてルールを作成する必要があります。 顧客がいつも施術に満足してもらえるわけではなく、納得してもらえないケースも考えられます。

そのため、契約書・同意書の作成、さらに医師賠償責任保険の加入や顧問弁護士との契約など、トラブル対策についても考えておく必要があります。 美容クリニックの運営を継続的に行えるように、詳細な部分もしっかり押さえておきましょう。

美容皮膚科の開業資金はいくら必要か?

美容クリニックを開業するために、資金がいくら必要なのか考える必要があります。 上記でも紹介しましたが、美容クリニックは開業するために何千万円も必要になります。

ただ、規模や大きさなどによって変わってくるため、しっかり計算して目安をつけておくことが大事です。 美容皮膚科の開業資金について詳細な点を紹介しましょう。

美容皮膚科の開業資金の項目別内訳

美容皮膚科を開業するときは、どのような部分に費用が発生するのか確認しておきましょう。 項目別の内訳として、以下のようになります。

  • 院内の床や壁照明などの内装工事費
  • 電子カルテや心電図、CRなどの医療機器
  • ソファーや診療台などの備品
  • 店舗の敷金(大体6ヶ月程度)
  • 礼金や仲介手数料
  • 賃貸開始から開業までの前家賃
  • 開業からかかる人件費などの固定費
  • 医師会入会
  • 広告やホームページによる集客費
  • 消耗品や予備品

上記の合計金額は8,000万円程度になるため、開業する際は高額な費用が必要になります。

もちろん、金額はあくまで目安なので、この金額よりも安くすることも可能です。 項目も多いので費用の計算として考えてみてください。

美容皮膚科の運転資金

美容皮膚科を開業するときは、どのくらいの運転資金が必要になるのか確認しておくことが大事です。

運転資金は光熱費などの固定費やスタッフに支払う給料の人件費などがありますが、それらの費用を最低3ヶ月くらいは支払うことができるようにしておくべきです。 開業当初は認知度も低いことから、あまり収益が出ないことが考えられます。 そのため、運転資金が無ければ直ぐに赤字運営になり、経営が厳しくなります。 500万円〜3,000万円くらいの運転資金は必要になるため確保しましょう。

金融機関からのおすすめ資金調達先

資金を集めるためには、金融機関を利用する必要があります。 金融機関に関しては、以下のいずれかの方法を考えることができます。

  • 銀行から融資を申請する
  • 自治体の補助金を申請する

開業の資金額が大きいため、基本的に資金調達は銀行がおすすめです。ただ、銀行の場合は融資の審査が厳しく書類も準備しなくてはいけません。 必要書類は確定申告書や内装費の見積書、医療機器の見積書、来院客見込みの調査データ、借入状況の証明書、自己資金の通帳コピーなどです。

自治体の場合は日本政策金融公庫や福祉医療機構などから資金を得ることもできます。資金調達の方法として考えてみましょう。

自己資金はどれほど必要か

開業する際に自己資金がどれほど必要なのか知っておきたい方も多いのではないでしょうか。

自己資金は0で開業するケースもありますが、開業資金全体の1〜2割を自己資金で準備する人もいます。例えば、5,000万円の開業資金が必要なら、500〜1,000万円は自分で準備するということです。 もし、自己資金を準備したいなら、何百万円かは用意しておくのがいいでしょう。

美容皮膚科医の平均年収

美容皮膚科の平均年収は開業医であれば1,500万円〜4,000万円になります。勤務医でも年収は800万円以上が平均的なので、かなり高年収です。

ただ、開業医は経営が軌道に乗ってくれば1,000万円超えの年収になるため、運営によって収入が変動する可能性があります。

美容皮膚科の開業で失敗しないためには、最適なパートナーを見つけることが重要

美容皮膚科の開業で失敗しないためには、最適なパートナーを見つけることが大事です。どのようなパートナーが必要になるのか内容を紹介します。

コンサルタント

コンサルタントは運営や経営の方法に関してアドバイスをしてくれます。 コンサルタントと契約することで、医院の改善点や集客の方法について専門的なアドバイスをもらえるため、最適な経営を行いやすくなります。

税理士・社会保険労務士

美容皮膚科は毎月多くの出費や前受金、保険の計算などもあるため、税理関係はかなり複雑です。 自分で会計を行うのはかなりの負担になるため、税理士や社会保険労務士と契約して会計を任せた方が、仕事に集中することができるため考えてみましょう。

まとめ

美容皮膚科の開業について内容を紹介してきました。美容皮膚科の開業は、まず流れを押さえておき、ポイントに合わせて準備するようにしましょう。

また、開業資金も銀行や自治体の補助金を活用して準備しておくことが大事です。美容皮膚科を開業して計画通りに行えれば、収入も安定してきて自分のやりたいことを行えます。 まずは開業の第一歩として、方針から考えてください。